表現感情
色を見る人の主観的な感情によって異なり、「好き・嫌い」「似合う・似合わない」などの「情緒的な」表現で判断される「感情効果」のこと。その人の性格や過去に体験してきた生活環境、民族的な文化、宗教などによって異なるため、すべての人に同じ感情を与えるのは難しい。
固有感情
色を見る人の「誰もが共有できる」感情で、客観的に説明ができる「感情効果」のこと。人が持っている生理的な特性に基づいているため、個人差がほとんどなく「赤は暖かい・青は寒い」「白は明るい・黒は暗い」など、特定された色に対して多くの人が同様に感じられることから、様々な分野の色彩計画に利用せれている。
色の感じ方には、「色の三属性」である「色相・明度・彩度」のすべてが関係しており、主に色相は温度や距離、明度はサイズや感触、彩度はインパクトの強弱の感覚に影響しているそうです。どのような色がどのような心理的なはたらきもたらすのかをまとめてみました。
色の寒暖
赤を中心とした橙色、黄色などの「赤系の色」は、太陽や炎などをイメージできることから「暖かさ」や「熱さ」を感じる色である。暖色系の色は、血圧や心拍数を高め、自律神経を刺激し、性ホルモンの分泌を促進したり、食欲や空腹感の増進、購買意欲をそそる効果があるとされている。
青を中心とした青緑、青紫などの「青系の色」は、水や氷などをイメージできることから「寒さ」や「冷たさ」を感じる色である。寒色系の色は、血圧や心拍数を下げ、自律神経が鈍り、興奮を鎮めたり、食欲を抑制させる効果があるとされている。
緑や紫など、色相環上で「暖色系と寒色系の間」にあり、寒暖どちらにも属さない色のこと。
色の軽重
軽い色
パステルカラーなどの「明るい色ほど」軽く感じる。明るい色は、暖色・寒色を問わず柔らかいイメージもあるので軽く感じられる。
重い色
黒や紺などの「暗い色ほど」重く感じる。暗い色は、暖色・寒色を問わず硬いイメージもあるので重く感じられる。
色の硬柔
硬い色
暖色・寒色を問わず、黒や紺などの「暗い色ほど」硬く感じる。
柔らかい色
暖色・寒色を問わず、パステルカラーなどの「明るい色ほど」柔らかく感じる。ただし、明度が最も高い白は、はっきりしていて引き締まった印象があるので、柔らかいイメージとはいえない。
色の派手・地味
派手な色
「鮮やかな色」ほど派手に見え、寒色より「暖色」の方がより派手に感じる。
地味な色
「くすんだ濃い灰色」に近い色ほど地味に感じる。暖色より「寒色」の方がより地味に感じる。
色の興奮・沈静
興奮色
鮮やかな「暖色系」の色は刺激が強く興奮する。特に赤は、アドレナリンの分泌を高め脈拍や血圧を上げるので興奮する色といわれている。
沈静色
くすんだ「寒色系」の色は心を沈静させる。特に青は、アドレナリンの分泌を抑え、脈拍や心拍数、血圧を下げることにより気分も落ち着くとされている。
色の強弱
強い色
純色のように彩度が高く「鮮やかな色」は、インパクトがあり強く感じる。
弱い色
パステルカラーなどの「淡い色」は、弱く感じる。
色の陽気・陰気
陽気な色
赤や黄色など「鮮やかな色」ほど陽気に感じる。寒色より「暖色」の方がより陽気に感じる。
陰気な色
深い青やグレーなど「くすんだ色」ほど陰気に感じる。暖色より「寒色」の方がより陰気に感じる。
色の膨張・収縮
膨張色
赤や黄色など「鮮やかな色」ほど陽気に感じる。寒色より「暖色」の方がより陽気に感じる。同じ大きさの形でも、ほかの色より大きく感じられる色。
「明るい色」ほど膨張してみえる。「暖色系」の色は膨張してみえ、もっとも膨張して見える色は「白」である。
収縮色
同じ大きさの形でも、ほかの色より小さく感じられる色。
「暗い色」ほど収縮してみえる。「寒色系」の色は収縮してみえ、もっとも収縮して見える色は「黒」である。
色の進出・後退
進出色
「明るい色」ほど実際の位置より前にあるようにみえる。一般的には、赤、橙、黄といった「暖色系」の色は、実際の位置より前にあるようにみえる。特に明度が高く鮮やかな色ほどその性質は強くなる。後退色と組み合わせることで、奥行きや遠近感を出すことができる。
後退色
「暗い色」ほど実際の位置より後ろにあるようにみえる。一般的には、青、緑といった「寒色系」の色は、実際の位置より後ろにあるようにみえる。特に明度が低い色ほどその性質は強くなる。進出色と組み合わせることで、奥行きや遠近感を出すことができる。
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