冬の合わせ色目【かさねの色目】

かさねの色目

かさねの色目(かさねのいろめ)は、平安時代以降の公家や貴族の衣装に見られる雅びな色の組み合わせのこと。

平安時代の身分の高い人々が着ていた 十二単(じゅうにひとえ)などの着物に使われていた生地「絹」はとても薄く、何枚も重ね着することで色が透けてみえた。自然との調和を重んじた平安貴族の美的感覚から、複雑な色彩が生まれた配色に四季折々の植物の名前などが多くつけられ楽しんでいたと思われる。

 

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合わせの色目
1枚の袷(あわせ)仕立ての衣の生地の表地と裏地を重ねることによる配色。

 

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襲の色目
2枚以上の衣を何枚か重ねた衣の袖口や褄、裾などの重なりの配色。

 

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織り色目
経糸と緯糸に違う色を使うことで、複雑な色合いを作り出す配色。緯糸の織り合わせ方を変えることで、複雑な色合いの美しい柄を織ることができる。

経糸 経糸(たていと)とは、織物を織る際にタテになる糸のこと。
緯糸 緯糸(きぬいと)とは、経糸にヨコから一本一本織り込んでいく糸のこと。

 

 

冬の合わせ色目

冬(ふゆ)とは、四季のひとつ。秋の次で春の前の季節。日本では12月、1月、2月をいい、暦の上では冬秋(りっとう/ 11月7日ごろ)から立春(りっしゅん / 2月4日ごろ)の前日まで。旧暦の 10月から 12月にあたる。

 

名称 萩 / 芽子 はぎ
合わせ色目(表 / 裏) 青(黒みあり) / 二藍
別説 合わせ色目(表 / 裏)  /
特徴 玉虫の羽の色を表した色目
着用時期 秋より初冬 / あるいは冬
着用者 -
 
名称 枯色 かれいろ
合わせ色目(表 / 裏) 淡香 /
別説 合わせ色目(表 / 裏)  / 薄色
特徴 野原の草原が冬枯れで変色した様を表した色目
着用時期 冬
着用者 -
 
名称 枯野 かれの
合わせ色目(表 / 裏)  / 淡青
別説 合わせ色目(表 / 裏)  /
特徴 野原の草原が雪や霜で枯れて変色した様を表した色目
着用時期 冬
着用者 -
 
名称 苔 こけ
合わせ色目(表 / 裏) 濃香 / 二藍
特徴 苔を表した色目
着用時期 冬
着用者 -
 
名称 氷 こおり
合わせ色目(表 / 裏)  / 白打 ※1
別説 合わせ色目(表 / 裏)  / 白張  ※2
特徴 氷の冷たさを表した色目
着用時期 冬
着用者 -

※1 白打:砧(きぬた)で打って光沢を出したもの
※2 白張:糊引をして光沢をだしたもの
 
名称 氷重 こおりがさね
合わせ色目(表 / 裏) 鳥の子 /
特徴 氷の冷たさを表した色目
着用時期 冬
着用者 -
 
名称 雪の下 ゆきのした
合わせ色目(表 / 裏)  / 紅梅
別説 合わせ色目(表 / 裏)  /
特徴 雪に埋もれた紅梅の花を表した色目
着用時期 冬より春
着用者 -
 
名称 椿 つばき
合わせ色目(表 / 裏) 蘇芳 /
別説 合わせ色目(表 / 裏) 蘇芳 /
特徴 寒椿の花を表した色目
着用時期 五節(11月)より春
着用者 -

 

 

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