絵を描いているときや服を選ぶときなど、様々な場面で「赤を使いたいけど、何色と合わせたらいいのかな?」といったように、色選びに頭を悩ませることがあるのではないでしょうか。
組み合わせる色によっては、デザインの印象が大きく変わるのでとても重要になってきます。そこで配色の基本ともいえる「色相環」を用いた、基本的な配色方法をまとめてみました。
配色
配色とは、2色以上の色を組み合わせることをいい、同じ色でも組み合わせる色によって、与えるイメージや受ける印象が変わってみえる。
色相差
2色の異なる色が色相環上でどのくらい離れているかをいう。
色相環
PCCS色相環を用いて配色を紹介します。
同一色相
identity
同じ色相の色のみを用いて、明度や彩度のトーンを変えて色味にコントラストをつけるといい配色。
色相差がないので統一感があり、色相のイメージをダイレクトに伝えやすい配色。シンプルで上品な印象になるが、単調になりやすく静かでおとなしく無難な配色にもなるといえる。
隣接色相
adjacent
色相環で隣り合った色を組み合わせた配色。
隣り合った色どうしなので統一感があり、柔らかい印象になるが、こちらも同一色相と同じく単調になりやすいので、トーンを変えて色味にコントラストを付けるといい。
類似色相
analogy
色相環で両隣にある色、またはその近くの色味が似ている色を指し、色相に適度な共通性と変化が感じられる組み合わせなので、バランスのとりやすい自然な配色になる。
選択する色相の幅が狭いため、やや単調な印象に感じることがあるので、トーンを変えて色味にコントラストを付けると、メリハリの利いた印象になる。
中差色相
intermediate
色相環で90度の位置にある色を組み合わせた、日本や中国などアジアの伝統的な色遣いによくみられる配色。
調和の取りにくい組み合わせになりはっきりしない印象をもたれているが、トーンを近づけて、明度や彩度が似たものどうしを組み合わせると調和しやすくなる。
補色
dyad / 反対色
色相環で正反対の位置にある色を組み合わせた配色。
補色は色相差がもっとも大きいので、コントラストが高くなりメリハリが出やすいため、お互いの色を引き立て合う相乗効果がある。しかし、使い方によっては、それぞれの色が浮いて見えてしまうので注意が必要。
同じ割合で補色を並べると、派手でインパクトがあるが、目がチカチカして見える(ハレーション)ことがあり、落ち着かない印象になる。それぞれの色のトーンや面積比などを変え、アクセントとして取り入れると補色の効果が発揮される。
心理補色
赤い円を10秒くらいジーッと見つめたあと、隣の白い枠に視線を移してみると、うっすらと青緑の円が見えてくるだろう。これは「赤」と「青緑」が「補色」関係にあることから生じる現象である。
また、同じように赤い円を10秒くらいジーッと見つめたあと、今度は黒い枠に視線を移してみると、うっすらとそのまま赤い円が見えてくるだろう。これは「赤」がそのまま残って「残像」として見える現象である。
また、上の図のように残像として見えた色のことを「心理補色」という。
物理補色
補色である2つの色を混ぜ合わせると無彩色(白、グレー、黒)になることをいう。
隣接補色
complementary
補色のとなりの位置にある色を組み合わせた配色。
補色と比較的近く、お互いの色の性質を強調する色の組み合わせになるので、ダイナミックな印象を与える。それぞれの色のトーンや面積比などを変え、バランスをとることで効果が発揮される。
対照色相
opornent
色相環上で大きく離れた位置にある色を組み合わせた配色。
補色などと同じく色味の違いが大きいので、彩度が高い色どうしの組み合わせだと強烈な印象を与えるので、トーンで差をつけて調和しやすくなる。